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第463回愛媛集談会

新年明けましておめでとうございます。

ブログの更新をしておらず、大変申し訳ございませんでした。

令和元年12月22日に開催された愛媛集談会の内容をご紹介します。

 

まず、集談会の参加者は9名(男性7、女性2名)でした。

会の内容は、女性の参加者2名が共同で司会をしてくださり、戸惑いながらも、とてもスムーズな進行となり「逃げない」という森田の教えを実践されているなととても感激しました。

さて、会の進行はいつものように、自己紹介から始まり、先輩会員により講話、体験交流の順に行いました。

先輩会員による講話では、森田の教えや自らの経験に基づいて人間性の事実について分かり易くお話をしていただき、参加者一同改めて気づきがあったように思います。

その講話の内容を一部紹介します。

・ 感情の特質を知る。

 …1万円落とした時と、50万円を落としたときとでは感情の引きづり方や持続時間が違う。感情を理性で抑えることは出来ない。耐えるしか方法がなく、時を待つ事で感情は衰退していくこと(古人の言葉で「日にち薬」)嫌な気持ちは流れていくことを自覚、理解すること。

・ 神経症がある時に重大な決断はしない。

 …例、神経症で辛いから仕事を辞めるとか、休むとか。森田で言うところの「迷いの内の是非は是非ともに非なり(神経症で悩むというのは生き方の誤りであるから、妙案が思いついたとしてもそれは神経症を治すための行動であるから、神経症は良くならない。結局は耐える・往生するしかない。頭でこねくり回しても、神経症は余計に悪化する。)」

・ 外相整えれば、内相自ずから熟す。

 …まず、形をよくすること。観念で気分を変えるのは難しく、行動で変えるが容易。例、起きる時は辛いが、起きれば辛さが消失する。

・ 不安や苦痛について

 …我々は生まれながらに不安や苦痛を有していている。社会や職場は個人に対して都合が良く出来ていない。逃げれば逃げるほど、神経症は追いかけてくる。

・ 森田療法は人間性の再教育

・ あるがままとは怖いまま飛び込むこと、はからいとは恐怖をなくしてから飛び込もうとすること、諦めは怖いから飛び込まないこと。

 

私自身、ここ1、2か月対人恐怖の症状が強く出ていました。そのことを講話者は「症状は一進一退を繰り返しながら良くなっていくものである。しかしそれは一生ついていくもの。」と教えてくれました。

徳川家康でも「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし。心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。」と人生の苦労を語っています。

天下を平定した家康でさえも苦労があるのですから、人知れない苦労をしながら生きているのですね。

今まで見てきた差別観の眼を、平等観に変えることで、人の痛みや悲しみが共感できるのではないでしょうか。

 

体験交流では「集談会の日は、ここに居るのが一番いい。」という話をしてくれた方がいました。皆一様に同じ気持ちだと思います。私も辛くても集談会に出席して本当に良かったなと思った一時でした。

 

集談会後は近くの居酒屋で忘年会を開催いたしました。参加者11名

、次年に向けたいい弾みになりました。